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福井大学子どものこころの発達研究センター


脳機能発達研究部門

 本研究部門では、こころの形成・発達の基盤である「脳の発達の仕組み」を分子・細胞レベルで解明することを目的とした研究活動を行っている。具体的には、こころの主な基盤と考えられている大脳皮質から大脳基底核、辺縁系、嗅球に至るまでの神経回路形成・発達の過程、また体内にあって中枢神経の外からその発達を修飾する様々な要因の作用機構を明らかにすることを目指している。さらに、これらの研究で得られた成果をもとに、発達障がい者の診療・支援への応用を視野に入れたトランスレーショナル研究を展開している。

1.自閉症の早期診断マーカーおよび病態研究
 自閉スペクトラム症(ASD)の臨床に根治的治療手段はなく、早期発見に基づく早期介入が社会適応にとって最も重要であり、ASDの臨床対応の基本である。そこで、ASDに固有のエネルギー代謝異常・酸化ストレス所見、およびセロトニン関連分子の動向に注目し、早期診断に資するマーカー探索とそのメカニズム解明を目指した研究を行っている。

2.脳発達期における細胞分化の調節機構および環境要因と精神神経発達障がいの関連の解明
 精神神経発達障がいでは、神経幹細胞の分化異常が示唆されている。そこで、中枢神経系での発生期神経幹細胞のGABAA受容体に注目し、発達障がいの病因・病態の核心に迫る試みを続けている。また、中枢神経系の発達における環境要因として脳腸相関に注目し、母体の腸内細菌の変化が胎生期・周産期の仔の中枢神経に及ぼす作用のメカニズム解明を目指した研究を行っている。

3.自尊心を高める教育プログラムの妥当性の検証
 子どもの心の健康や社会適応の問題において自尊心を高めることは重要であるが、日本の子どもの自尊心は世界的に見て低いのが実情である。学童の自尊心を高める目的で開発された「Treasure-file program(TFP)」の科学的妥当性を検証するため、教育委員会に協力を仰ぎ、小中学生4000名を対象にしたTFPの教育実験を進めている。

4.嗅神経軸索の発達に関する研究
 嗅神経軸索の発達に関する研究感覚入力が脳の中枢でどの様にその質感を判断され、情動・行動の出力につながっているのか、またそれを支える神経回路が発達期にどの様に形成されるのかについて遺伝子改変マウスを用いた研究を行っている。

5.神経回路網の発達・成熟の解析とその仕組みに関する研究
 神経系の軸索伸展、分岐について新たな分子機構を提示した。また、特に神経情報伝達の場であるシナプス部位(特に樹状突起スパイン)の形態および機能に重要な役割を担うミオシンIIbの制御の仕組みを解き明かした。

6.脳内シナプスの超微形態と分子局在から、脳の情報処理機構を明らかにする研究
 脳の機能は神経細胞どうしがシナプスと呼ばれる接着構造を介して形成する神経回路により担われている。そこでシナプスではたらく機能分子の量と空間分布を明らかにすることでシナプスの構造と機能の関係を理解し、脳の情報処理機構を明らかにすることを目指している。


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