痛　風

概　念

• 痛風は体液中の過剰な尿酸が尿酸ナトリウム１水和物(monosodium urate monohydrate: MSU)結晶として析出沈着することにより生じる疾患である。
• 結晶誘発性関節炎を主徴とし、痛風結節、尿路結石、腎障害などを呈す。
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診断基準

分　類

高尿酸血症の分類

排泄低下型高尿酸血症
産生過剰型高尿酸血症
混合型高尿酸血症

病期分類

無症候性高尿酸血症期	関節炎症状はみられない
急性関節炎期	痛風発作が間歇的にみられる
慢性結節性痛風期	関節炎が頻回にみられる

検　査

• 尿酸クリアランス　(患者登録）
  
• 関節液偏向顕微鏡
  尿酸-1-ナトリウム結晶は針状で明るい複屈折性の結晶で、一次偏向補正板上の緩徐振動方向に対して平行にした場合は黄色に見える。

治　療

• 無症候性高尿酸血症期
• 関節炎発症時の治療
  痛風発作では関節炎が完全に消退するまではまず急性関節炎の治療に専念し、極端な飲食の制限や高尿酸血症治療薬による尿酸コントロールを始めてはならない。発作が確実に起こっている場合では、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)が第１選択薬とされる。

  　　　　

  一般名	血中半減期 （時間）	用 法・用量		有効率 (%)
  		極　期	軽快期
  ケトプロフェン*	1.13	50mg/回	-	43
  プラノプロフェン**	1.5	450-675mg/日	225mg/日	95
  インドメタシン	3-11	75mg/日+	25-75mg/日	68
  ナプロキセン	14	400-600mg/回++	300-600mg/日	90
  フェンブフェン	α:12.5/β:17	600-1000mg/日	600mg/日	74
  オキサプロジン	約50	600mg/日	400mg/日	72

• 痛風前兆時の治療
  患者が前兆期を判別することができるならコルヒチンは有効である。同薬剤の投与タイミングは微妙で、発作前兆期あるいは遅くとも発作発現２〜３時間以内に限られ、この時期に投与すれば90%の発作を止めることができる。
• 発作寛解期の治療
  高尿酸血症に対する薬物治療は発作消失より少なくとも２週間の間隔を空けることが望ましい。なお尿酸コントロール薬を投与中に痛風発作が起こった場合は投与量を変更せず治療を続ける。また、投与開始直後におきた場合は減量する。

  	一般名（市販名）	用量(mg/日)*	禁忌・相互作用
  産 生 阻 害 薬	アロプリノール （ザイロリック）	100 〜 300	本剤の過敏症 メルカプトプリン、アザチオプリン、ビダラビン、シクロスポリン、シクロホスファミド、テオフィリン、ワルファリン、フェニトインなど
  排 泄 促 進 剤	ベンズブロマロン （ユリノーム）	25 〜100	肝障害、腎結石、高度の腎障害 ワルファリン
  	ブコローム （パラミヂン）	300〜100	消化性潰瘍、重篤な血液、肝、腎障害、本剤の過敏症、アスピリン喘息 ワルファリン
  	プロベネシド （ベネシッド）	1000〜2000	腎結石、高度の腎障害、血液障害、本剤の過敏症 アスピリン等消炎鎮痛剤、経口糖尿病薬、ワルファリン、セファロスポリン系抗生剤、メトトレキセート、シクロスポリンなど

  *開始量は最小用量とする。