福井大学脳脊髄神経外科_臨床

910-1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
Division of Neurosurgery, Department of Sensory & Locomotor Medicine, Faculty of Medical Sciences, University of Fukui


当科での臨床の特徴

救急部と救急体制

北米型救急システムを導入した経験豊富な充実した救急部のスタッフとともに、我々脳外科医も救急室から診療を開始しております。夜間、休日を問わず、緊急手術が必要なときでも24時間、迅速に対応する準備ができています。また、重症の脳脊髄疾患に対しては、集中治療室(ICU)において、最新のモニターリングシステムを駆使し、徹底した全身管理を行い、専門各科と密に連携して、集中治療を安全に行っています。

専門外来

脳腫瘍、血管内治療、神経内視鏡、脊髄末梢神経、もやもや病などについて専門外来を設け、豊富な経験を持つ専門スタッフが外来診療を行っています。

脳卒中合同リハビリカンファレンス・福井県脳卒中連携協議会

脳卒中の後遺症を軽減するためには、治療も大切ですが、リハビリが大きな役割を果たします。当院では神経内科、ナース、リハビリ部、地域医療連携部と共同で毎週合同リハビリカンファレンスを行い、患者さん一人ひとりのリハビリの進み具合を、全員で把握しています。患者さんの状態に応じてはできるだけ早く回復期リハビリ施設に転院して集中的なリハビリを受けることも大切であり、スムーズに転院できるようタイミングを判断しています。また福井県の他の病院と合同で脳卒中連携協議会を行い、県全体の脳卒中診療体制の整備にも関わっています。

院内腫瘍合同カンファレンス

悪性脳腫瘍の治療は現在でもなお困難であり、手術のみでは完治せず、化学療法、放射線治療など様々な治療と組み合わせることが必要です。当科では神経内科、放射線科、血液内科、ナーススタッフなど院内のスペシャリストの方々合同で悪性腫瘍に関する定期カンファレンスを開き、治療法、看護法を検討しています。

手術設備・環境

術中蛍光血管撮影装置

WS000020.JPGバイパス手術時の顕微鏡明視野。WS000021.JPG蛍光視野。バイパス血管の血流が確認できる。


世界最新鋭の手術顕微鏡(Zeiss Pentero)が配備されており、ICGを用いた蛍光血管撮影を行うことができます。動脈瘤や脳血管バイパス術が成功しているか一目瞭然であり、脳血管手術を安全、確実に施行できます。

術中CT

P9010127.png術直前、CTのセットアップ風景。 iCTgraph.png導入から2008年までで600以上に症例に使用し、有用性を実感している。


平成9年に導入され脳腫瘍、脳内血腫、頚椎手術、外傷などほとんどの手術時に威力を発揮し、平成10年にはヘリカルCTに更新され、3D-CT, CT angiographyやCT fluoroscopyも可能です。24時間運用しており、緊急手術にも対応しています。2008年には実施症例が600例を超えました。世界有数の実績です。

術中電気生理学的モニタリング

VEP1.png当科で開発したVEP刺激装置。非金属なため術中CTやMRIに対応する。maruoka SEP 上肢02.jpg


運動、感覚、視覚を司る部位に病変が存在する場合、MEP(運動),、SEP(感覚)、VEP(視覚)という特殊な脳波を用いて、神経機能が手術中に障害されていないかモニタリングします。脳脊髄神経手術に通じた熟練した電気生理学専門の技師が測定に当たり、術者は安全性を確認しながら手術を進めることが可能です。また当科では、金属を使わず術中CTやMRIに対応したVEP測定装置を開発し応用しています。

5-ALAによる腫瘍蛍光標識

5ALA3.png通常の顕微鏡視野では腫瘍と正常脳組織の境界は不明瞭。5ALA_s.png術中蛍光視野。腫瘍が赤く光って見えている。  


境界の分かりにくい悪性脳腫瘍の手術では腫瘍と正常脳を見極めるために、特殊な色素5-ALAを用いています。これは生体の成分のアミノ酸からできており、内服することで悪性腫瘍にこの5-ALA多くをとりこませることができます。手術時に特殊な光を当てることで腫瘍を光らせることができ、肉眼では見にくい部分の腫瘍を取り除くことが可能です。

治療までの流れ

  1. 緊急の場合を除き、治療前に一度検査入院を行い病気についてよく調べます。
  2. 治療法は一医師の意見でなくカンファレンスにおいてスタッフ全員で検討し、患者さんに最も適した治療法を選択します。
  3. 手術により根治(完全に治る)ができる場合は手術をお勧めします。
  4. 高齢やその他の理由で手術合併症や後遺症の危険が高い場合、代替手段をお勧めします
  5. 緊急の病名、放置したときの経過、治療法の種類、その副作用につき十分説明いたします。
  6. 治療する場合は術前カンファレンスで十分に検討して計画を立て、最新鋭の補助診断装置を用いて行い、可能な限り後遺症を出さないよう努めます。