福井大学医学部小児科
福井大学医学部では小児科・第一内科を中心に、主に造血器悪性腫
瘍を対象にして骨髄移植や末梢血幹細胞移植が行われてきました。
本大学病院が移植医療を開始するまでは、県内の移植治療を必要と
する小児の患者さんは名古屋などの他府県に転院して移植医療を受
けざるを得ませんでした。小児科では1991年に最初の自家末梢
血幹細胞移植を実施し、その後も無菌ベッド装置の充実やスタッフ
のトレーニングなどを重ねてきました。また本大学の病院改革行動
計画に平成14年度の細胞治療移植診療部設置が唱われています。
<移植医療チーム>
小児領域でも造血幹細胞移植医療は、対象疾患がおもに腫瘍性疾
患であるために血液腫瘍グループの医師を中心に主治医、病棟婦長、
プライマリーナースより移植医療チームが構成され移植医療が行わ
れてきました。先天代謝異常症患者の移植の際には代謝・内分泌グ
ループとの綿密な連携のもとに移植が行われています。毎週第一内
科、輸血部、薬剤部と合同で症例検討会を開き、病院全体のレベル
アップを進めています。
<移植実績>
自家造血幹細胞移植に加え、小児科ではこれまで骨髄バンクを介
した非血縁者間同種骨髄移植、神奈川臍帯血バンクから供給された
非血縁者間臍帯血移植、また、血縁者間のHLA一座不適合移植を
はじめ、9名の患児にのべ11回の同種移植が行われました。これ
まで移植に伴う治療関連死は無く、移植後の原疾患再発で亡くなら
れた方を除いて8名の方が生存されています。
<無菌室と付き添い>
現在、同種造血幹細胞移植は簡易無菌室を利用して行い、自家骨
髄移植等は無菌レベルを緩和して無菌ベッドで行っています。今秋
までには小児病棟に新しい無菌病室が設置される予定です。施設に
よっては無菌室内への母親などの付き添いを認めない考え方もあり
ますが、当科では移植の過程での家族の役割を重視する方針で、年
少児では付き添いの入室をお願いし、吸入や内服などを家族ととも
に患児を励まし支えながら協力していくやり方を取っています。中
学生や高校生でも一定の時間は入室していただき患児の話し相手と
なり精神的なサポートをお願いしています。
<我々の目指す移植医療>
小児では移植医療で病気が治ることはもちろん大切なことですが、
それだけではなく治療終了後も晩期障害の経過を長期に渡り見守り、
健康な成人へ成長することが最終目標です。そのためにはさまざま
な合併症に対していろいろな分野の専門医による総合的な診療体制
が必要です。当小児科には血液腫瘍に加え、内分泌代謝、腎臓、神
経、免疫、循環器の専門医もいるため、種々の問題に対しても適切
な対応をとることが可能です。
E-mail:tanizawa@u-fukui.ac.jp
電話 :0776−61−3111
内線2313(谷澤)、2314(小児科)
FAX:0776−61−8129