学部長あいさつ


福井大学医学部長 内木 宏延

福井大学医学部は、福井医科大学として1980年に開学し、1997年には看護学科が設置されました。2003年に旧福井大学と統合して、(新)福井大学が誕生し現在に至っています。グローバル社会で活躍できる優れた能力や高度な専門性を備えた医療人を養成するとともに、世界レベルでの研究を通して医学の進歩に寄与し、高度で先進的な医療を提供して国民の生命と健康の保持に貢献しています。さらに、福井県の医療の中核的役割を担い、地域医療に貢献する人材養成、および超高齢化・少子化・過疎化の進む社会に対応できる地域医療システムの構築に取り組んでいます。

教育面では

看護学科では、現代社会の多様なニーズに対応できるように、豊かな人間性と高い倫理観を基盤に、専門知識だけでなく地域(世界)への理解を深め、臨床・地域でのチーム医療やグローバルに活躍できる看護職を育成します。幅広い職業選択(看護師・保健師・助産師)が可能なカリキュラムを実施し、国家試験では常に高い合格率を誇り、多くの優秀な人材を輩出しています。

医学系研究科博士課程(統合先進医学専攻)では、医科学コース、先端応用医学コースに加えて、全国初の地域総合医療学コースが新設されています。独創性、創造性に優れた研究者、高度な専門的スキルを備え、研究マインドを持った臨床医、そして地域医療をリードするジェネラリストの育成を目指します。修士課程(看護学専攻)では、高度な知識と卓越した実践能力を有する専門看護師や指導的専門職業人、高度な研究能力を有する教育・研究者を育成し、看護学の発展と人々の健康・福祉に寄与しています。また、医学系研究科附属看護キャリアアップセンターは、認定看護師教育課程や看護実践能力開発講座を有し、地域社会全般の看護師の質向上に貢献しています。

福井大学はグローバル社会に対応すべく、語学教育に力を入れていますが、医学部でも語学センターを中心に語学演習室などを整備して、英語が使える医療人の育成を目指しています。また、講義棟と図書館を全面的に改修し、明るく開放感のある講義室の他に、グループ学修のための複数の演習室や、学生間のコミュニケーションを高めるためのスペースなど、良質な修学環境が整備されています。学生が自ら進んで学修する能動的学修が一段と進むものと期待されます。

研究面では

福井大学医学部では、本邦初の分子イメージング部門を擁し、世界最先端画像医学研究拠点の一つである高エネルギー医学研究センターを中心に、子どものこころの発達研究センター等も参画し、子どものこころの発達研究、脳科学研究等に関する国際・国内共同研究、医工教連携研究活動が活発に実施されています。特に高磁場MRI装置(3ステラ)に高性能PET用検出機を内蔵した、世界でも有数の最新型画像診断装置が導入され、様々な疾患の診断向上および高次脳機能の解明が期待されています。

医学部・同附属病院では、地域の直面する少子高齢化や過疎化に対応するため、生体のイオンチャネル、がん、発達障害や認知症、アレルギー・免疫疾患等の様々な疾患の克服を目指した先進的研究とともに、新たな医療技術の開発や地域医療の向上、さらに災害医療や被爆医療の向上を目指した先端的・実践的な医学・看護学研究を展開しています。

診療面では

医学部附属病院は、県内唯一の特定機能病院として「最高・最新の医療を安心と信頼の下で」の理念のもと、高度な医療を提供し、最後の砦としての役割を果たしています。現在、優れた地域医療人を輩出するハイクオリティーメディカルセンターとしての地位を確保するため病院再整備事業が進行中で、平成26年度には新病棟が完成し稼働しており、平成28年度には新外来棟・中央診療棟での診療がスタートします。本院のコンセプトは、揺るぎ無き地域診療拠点の構築、実践重視型教育環境の充実、快適・安全な医療空間の提供、福井ブランドの先進医療の開発・実践、堅固な経営基盤の構築の5つで、中核病院としての役割をなお一層果たしていきます。

特に若手医師の育成は本院の最重要課題です。卒後初期研修では、最先端の臨床教育研修センターや福井メディカルシミュレーションセンターを活用し、すべての臨床医の基本となるプライマリーケアの最新技術や広範な基礎知識を、総合診療・救急部が核となり全診療科が連携したコア・レクチャーや北米型ERシステムにより包括的に習得できます。また、平成29年度から卒後3年目以降の専攻医に実施される新専門医制度を踏まえ、本院を基幹施設として県内や近隣地域の多数の連携病院が加わった、初期研修から専攻医へのシームレスな教育プログラムが用意されています。本専門研修プログラムと並行して大学院での博士号(医学)取得を積極的に支援する体制も充実しており、医療界をリードする医師や教育者となるための礎を構築することが可能です。さらに、地域医療に主眼をおいた3つの寄附講座を設置していることも本院の大きな特色です。

受験生、学生の皆さんへ

福井県は解体新書で知られる杉田玄白や食育を唱えた石塚左玄、天然痘予防に尽力した笠原良策など多くの名医をうみだし、また平均寿命が長く健康長寿県としても有名です。豊かな緑や水に恵まれ、東尋坊、越前海岸や三方五湖など美しい海岸線を楽しめ、永平寺、一乗谷朝倉氏遺跡をはじめとした多くの観光名所を有する魅力ある県です。この素晴らしい環境の下で学生生活を送られてはいかがでしょうか。福井大学医学部は医学を志す気概のある皆さんを待っています。多くのことを経験して、感性を磨き、人の痛みがわかる人間性豊かな医療人へと成長されることを願っています。