医学系研究科

看護学専攻/修士課程

基礎・地域看護学

【基礎看護学】
 看護ケアの質の評価,看護者と患者のかかわりのプロセス,看護者の健康管理に関する問題,健康障害と保健行動,看護援助のプロセスの中で生じている看護現象,援助技術の科学的根拠など基礎看護学領域に関する課題について,量的,質的に研究する。
 看護の対象である人間の身体的,精神・心理的,社会的側面から評価する為のアセスメントツールの開発をする。また,看護ケアが及ぼす生理的・心理的効果について実験研究を通して科学的・心理学的評価を行う。
【地域看護学】
 地域に在住する乳幼児から老人までのさまざまなライフステージの人々を対象者として,ヘルスプロモーション,疾病予防,疾病の回復促進,リハビリテーション,QOLの向上のための看護支援を探究する。
 地域住民の健康レベルは健康な人から疾病・障害をもって生活する人まで多様である。それらの人々が個人,家族,グループとして最大限に健康を達成するための効果的な地域ケアシステムの構築と評価,在宅看護支援及び介護者支援,家族支援について探究する。

成人・老年看護学

【成人看護学】
 身体的健康問題もしくは精神疾患をもつ成人期にある人およびその家族を対象とした看護について,発達理論,セルフケア理論,危機理論,ストレス・コーピング理論,精神力動理論,そして対人関係理論などの主要理論を基盤に探求する。
 主要課題は,成人期にある人の健康問題と健康管理行動の認識と構造,セルフケア理論を活用した健康ケアとその効果,慢性的な健康障害における対象の生活 の質,手術・救急などクリティカルな健康障害における対象の特性と援助プロセスおよびその効果,精神看護学領域における中範囲理論の構築,ならびに 個人および集団を対象とした看護介入と評価である。
【老年看護学】
 高齢者を取り巻く急激な環境の変化の中で,高齢者が自分らしい生活の維持やQOL向上を獲得するための援助,高齢者の個別性を尊重し,自律に向けたセル フケアおよび家族参加を含めた援助方法を探求する。さらに,ライフサイクルにおける高齢期や高齢者を特徴づける現象や障害に視点をおき,加齢現象,社会的 背景,倫理的側面を考慮した看護実践を研究する。

母子看護学

母子を取り巻く健康問題,母子の心身の健全な育成,周産期における母子の看護支援,助産師活動とケアの質の評価,更年期にある人の健康問題など,母子看護学に関連した研究課題について,女性と家族のライフサイクルの視点で探究する。
 また,胎児期からの小児の疾病について医学的側面から教授し,小児期の慢性疾患を有する患者とその家族が直面する医療上の問題を検討,地域保健の視点をも含めた問題解決法について研究する。

災害看護学

 災害による人々の健康や生活への影響,被災者特性,活動現場特性を踏まえ,各災害サイクルにおける被災者に対する援助方法を探求する。行政・住民組織・他職種・ボランティア等との連携・協働・必要時組織化の重要性を理解し,災害時の人々の生活と健康支援に向けて,社会システムや医療・看護ケア提供体制を検討する。個人・家族・組織・地域における防災・減災に向けた諸活動,人々の危機管理意識を啓発する諸活動について人間科学の視点から探求する。

統合先進医学専攻/博士課程

 「医科学コース」「先端応用医学コース」「地域総合医療学コース」の3コースを設置し,創造性に優れ,研究・開発能力を有し,自立して活躍する研究者,卓越した研究能力と高度な専門的スキルを有する臨床医学研究者,地域に貢献できる臨床研究や教育的指導力を備えた質の高い総合的診療医・ER救急医・家庭医を養成します。

  1. 「医学科コース」では,医学科基礎系教員に加え,高エネルギー医学研究センター所属教員も参画し,実績や特色を基にしたコースワークを設け,組織的な教育・研究指導を行います。
    本コースでは,医科学・生命科学等の専門科目だけでなく,自立して研究を遂行するために必須な遺伝子操作等の各種実験手技,情報処理技術,論文作成法などを含む教科内容のコースワークとします。
  2. 「先端応用医学コース」では,次の3部門を設け,臨床系教員を中心に基礎系教員も参画して,体系的な教育・研究指導を行います。
    • 腫瘍医学部門:放射線医学総合研究所と連携した重粒子線医学担当教員も加え,分子腫瘍学,腫瘍画像診断学,腫瘍病理診断学,腫瘍内視鏡診断学,腫瘍外科治療学,腫瘍薬物治療学,腫瘍放射線治療学等の科目を設定しています。また,腫瘍の外科治療学,薬物治療学,放射線治療学では,外科手術や抗腫瘍薬治療,分子標的治療(遺伝子治療含),合併感染症対策等の教科内容を横断的に教育するとともに,疼痛緩和療法などの集学的教科内容をも含んだコースワークとします。
    • 器官再生医学部門:選択科目として成長発達病態学,器官再生生物医学,神経運動分子生物学,呼吸循環器官再生分子科学,心血管内分泌代謝医学を設定しています。各組織・臓器の再建・再生を軸に,成長発達,退行性変性や器官機能喪失,生体医工学に拠る再建などを加えた特色ある教科内容のコースワークとします。
    • 病態情報解析医学部門:遺伝学や分子病理学的なミクロのレベル及び分子イメージングや高次脳機能画像診断学手法,灌流画像,薬物動態,医学疫学手法等によるマクロのレベルで,生体病態を新しい角度から解析できうる人材育成を目指した教科内容のコースワークとします。併せて病態情報解析に関わる新たな知見の発見,手法の開発を将来担える人材育成を目指した教科内容のコースワークとします。
  3. 「地域総合医療学コース」では,本学の総合診療部,救急部,地域医療推進講座,地域プライマリケア講座の専門医を始め臨床系教員を中心に基礎系教員も参画した教育・研究指導を行います。
    本コースでは,地域医療における医療技術等の基礎的知識や教育指導方法などを「地域総合医療学概論」で修得します。また,他のコース科目において,臓器横断的な知識を身につけ,患者診療に必要な包括的能力,コミュニケーション能力,身体診察能力,及び臨床推論の基本的技能を修得します。臨床研究に卓越し,地域医療のできる医師の人材養成を目的に,疫学倫理や臨床疫学等の統計手法や医学教育手法を学ぶ教科内容のコースワークとします。

 各コースとも質の高い教育・研究指導を実施するため,異なるコースの複数の教員による教育・研究指導(複数教員指導体制)を導入し,横断的及び有機的な教育・研究指導を行います。また,ライフサイエンスイノベーション推進機構(生命科学複合研究教育センター,トランスレーショナルリサーチ推進センター,ライフサイエンス支援センター)や子どものこころの発達研究センター所属の教員等も参画し,全コース共通の必須科目等に特色あるコースワークを設けています。