緩和医療への貢献
緩和医療への貢献
がん疼痛
がん患者さんの不快な症状を緩和することは緩和ケアのなかで最も大切な目標の一つです。がん疼痛は全身倦怠感や食欲不振などと共に、70%程度のがん患者が経験する頻度の高い症状であり、このがん疼痛を十分にコントロールしてケアし続けることが、緩和ケアチームの麻酔科医に求められる重要な役割の一つです。麻酔科医は、手術における急性疼痛の管理とペインクリニックにおける慢性疼痛の管理を、麻酔薬を含む様々な鎮痛薬や鎮痛補助薬および神経ブロックなどのinterventional pain therapyを用いて行っていることが、がん疼痛の治療に大いに役立ちます。WHO 3段階除痛ラダーに沿ってオピオイドや非ステロイド性抗炎症薬などを適切に使用すれば、がん疼痛の80%以上は除痛可能ですが、残り10%前後は難治性の難しい疼痛です。
緩和ケアチームにおける麻酔科医の役割
1)オピオイドや非ステロイド性抗炎症薬などの鎮痛薬の適切な使用方法を、副作用対策を含めて担当の主治医、病棟看護師などに指導します。
2)それでもコントロール困難な痛みに対しては、鎮痛補助薬の使用や神経ブロックなどの治療法を提供します。
3)新しい鎮痛法を研究し、それを普及します。(当教室の研究では、受容体型チロシンキナーゼの活性化に重要な活性化ループに作用するペプチドを作成し、TrkA活性を抑制する細胞透過性ペプチドによる疼痛治療の開発に取り組んでいます。)