平成18年度サイエンス・パートナーシップ・プロジェクトの報告

「免疫の驚異を学ぶ実験講座」

(生物資源部門とバイオ実験機器部門による共同開催)

平成18年度のサイエンス・パートナーシップ・プロジェクト教育連携講座が、8月3、4日及び17、18日の2回に分けて開催されました。(県内の高等学校9校より45名の高校生が参加)
スケジュールは1日目に上田孝典・福井大学付属病院長(8月3日)、岩崎博道・第一内科助教授(8月17日)による臨床を中心とした免疫の講義のあと、3グループに分かれて2日間にわたり「免疫の驚異を学ぶ実験講座」をテーマに免疫についての各種の実験を行いました。今回のテーマである免疫について理解するのはかなり難しかったかもしれませんが、皆さん苦労しながらも実験を行い、活発に質問している風景も見られました。実験内容及び各高校が作成した実験レポートは下記に掲載してあります。

共通実験

(参加者全員に体験してもらいました。)

  1. T細胞、B細胞の電子顕微鏡観察
  2. 胸腺、脾臓の蛍光抗体法を用いたレーザー顕微鏡観察
  3. オクタロニー法による免疫沈降観察

電子顕微鏡での観察

レーザー顕微鏡での観察

オクタロニー法の実験

Aコース:「免疫応答」-免疫不全モデルマウスに学ぶ免疫の基本-

  1. 皮膚移植マウスの観察。また、グリーンマウスの脾臓を移植したヌードマウスの解剖及び観察。
  2. Jerne法とCunningham法による抗体産生細胞の検出。
  3. 赤血球凝集反応の検出。

レポート

Bコース:「プロテオーム解析による抗原抗体反応の特異性の確認」

  1. オクタロニーによる免疫沈降観察。
  2. オクタロニーの沈降線のタンパク質を抽出及び処理を行い、質量分析装置によりペプチドの分子量を測定する。
  3. データーベース検索によりタンパク質を同定する。

レポート

Cコース:「利根川博士のノーベル賞実験に挑戦し、多様性の確保のために抗体遺伝子が変化することを確かめてみよう」

  1. マウスの肝臓組織からゲノムDNAを抽出する。
  2. PCRにより目的DNAを増幅する。
  3. DNAシーケンサーにより遺伝子の配列を調べる。

レポート

1回目(8月3、4日)

2回目(8月17、18日)