福井大学医学部看護学科を選んだ理由
Q:福井大学の看護学科へ進学した理由を教えてください。
高校生の頃、進路を決めるため、医療関連のさまざまな本を読んでいる時期がありました。その中に、福井大学で災害看護を担当されている酒井明子先生が共著者として執筆された本もあり、被災地での看護に興味を持ちました。私が大学受験をする時、災害看護を教えている大学はまだ少なく、福井大学はそのひとつでした。災害看護にいち早くとりくみ、多くの先生が看護の第一線で活躍している福井大学なら、「急性期や災害現場で活躍できる看護師になりたい」という夢を叶えられると思いました。
Q:実際に入学してみて、印象はいかがですか。
福井大学には先輩と後輩が少人数のグループになり、勉強や大学生活についての相談や、情報を共有できる初年次教育があり、入学したばかりの頃はこの制度にとても助けられました。先輩になった今、自分の経験をふまえて後輩の力になるようにしています。
Q:参加されている事業や取り組みについて教えてください。
先生との関わりが深く、学生が主体的に行動すれば、求めた以上のことを返してくれる大学です。
大学には学生が参加できるさまざまな取り組みがあり、例えば「地(知)の拠点整備事業(COC)」もそのひとつです。これは福井大学が地域の課題解決に向けてさまざまなアクションをおこす事業で、私もその一環として永平寺町の皆さんと防災活動に取り組みました。
また、大学のカリキュラムを検討するカリキュラム委員会では、学年代表のオブザーバーとして意見を出しました。委員会で「学年を越えて学生が交流できる初年次教育のような場をさらに増やしてほしい」と提言したところ、検討していただけることになりました。
講義・実習など現在の学び
Q:印象深い授業を教えてください。
看護技術の授業は、臨床現場に出られるスキルが身についているかが問われる場で、これまで学んだ知識と技術を総動員して臨みます。1学年では着替えの介助などを行う「日常生活援助論」、2学年では吸痰や採血などを行う「療養生活援助論」があります。演習室に入ったら、臨床現場と同じようにふるまうことがルールで、学生は患者役、看護師役に分かれ、症例に合わせて適切な看護を提供します。生理学、解剖学をふまえ、根拠に基づいた看護ができれば、先生も評価してくださるため、自分の成長が実感できます。
また、この大学に入学するきっかけとなった「災害看護」の授業では、災害時を想定したテーマでディベートを行うなど主体的に学べました。
Q:大変な授業を教えてください。
元々勉強は嫌いではありませんが、解剖学と生理学は内容が難しく、覚えることも膨大なので大変でした。
この2分野は看護師を引退するまでずっと使う知識なので、しっかり頭にたたきこまなくてはいけません。
先輩にポイントを説明してもらうなど工夫しながら身につけました。
医学部生のキャンパスライフ
Q:部活動やアルバイトはしていますか。
ハンドボール部とフットサルサークルに入っています。ハンドボール部は大会での優勝をめざし、本気で練習にとりくんでいます。フットサルは男女一緒に楽しめる和気あいあいとしたサークルです。部活動と勉強の両立はハードですが、かえって時間を効率よく使う習慣が身につきます。
Q:看護学生アルバイトについて聞かせてください。
1学年から3学年の7月まで、附属病院で看護業務の補助を行うアルバイトができます。患者さんのお顔を拭いたり、身体の向きを変える体位転換をしたり看護技術も体験できます。患者さんと会話をする機会もあり、日常会話から情報を収集するスキルを高めることもできます。このアルバイトをすることで臨床実習がより有意義になるため、これから入学する皆さんにもおすすめしたいです。
めざしている理想の看護師像
Q:どのような看護師になりたいですか。
急性期の最前線で患者さんの命を救う看護師をめざします。広い視野と鋭い観察眼、思いやりの気持ちを持ち、回復後の生活やご家族の看護にも関わっていきたいですね。また、患者さんの身体と心、社会的、宗教的なことを含めたトータルペインを感じとるスキルも身につけたいです。ゆくゆくは被災地での看護を通して、地域の復興にも貢献できたらと考えています。