教育面では、医師および看護師・保健師・助産師として必要な知識・技能・教養および課題探求能力をより確実に習得させるために、教育方法、教育カリキュラムを随時検証し、より高い学習効果が期待できる方策を積極的に取り入れています。その一つとして、医学生の最初の試練である人体解剖は、1年生秋から開始することにしました。意気揚々と入学した学生には、早い学年からの開始が好評価を得ています。クリニカルクラークシップを含む臨床実習は、これまでよりも延長し、福井大学発のF-CESSという実際の診療カルテにリンクした学生電子カルテを使用し、実践的臨床力を持った医学生を育成しています。看護学科では、現代社会の多様なニーズに対応できるように、豊かな人間性と高い倫理観を基盤に、臨床・地域でのチーム医療やグローバルに活躍できる看護職を育成しています。もちろん看護版F-CESSを使用し、すぐに患者支援ができるようにトレーニングしています。
さらにこれからの時代は英語力が重要になってきます。医学部には語学センターによる語学演習室が整備され、実用医学英語講座にて多くの学生が臨床に通用する英語を学んでいます。
研究面では、がん・神経(発達障害・認知症)・アレルギー免疫等の疾患克服を目指した、先進的研究とともに、新たな医療技術開発や地域医療、災害医療の向上を目指した研究を行っています。さらに分子イメージング部門として高エネルギー医学研究センター、子どものこころの発達研究センターも参画し、こころを反映した脳科学などの見える化を目指しています。
診療面では、医学部附属病院は、県内唯一の特定機能病院として「最新・最適な医療を安心と信頼の下で」の理念のもと、高度な医療を提供し、福井県医療の様々な領域で中核的かつ先端的な役割を担っています。最新、低侵襲、高いQOL維持、高い患者満足度においても福井県医療を牽引し、福井県民および周辺地域住民の生活向上に貢献しています。令和2年に再整備が完了し、新しい外来・病棟では最新の機器を使用して診療が行われています。
令和元年、文科省事業に北陸高度アレルギー専門医療人育成プランが採択され、日本で初のアレルギー専門医育成に力を注いでいます。また、令和2年からは、厚労省事業に総合診療医・総合内科医プログラムが採択され、超高齢化、少子化、過疎化の進む社会に対応できる地域医療に従事する医師育成に取り組んでいます。さらに、令和3年からは、文科省感染症医療人材養成事業が採択され、新型コロナウイルス感染症等パンデミックに対応可能な持続的感染症医療人材養成に取り組んでいきます。
最後に福井県は、解体新書で知られる杉田玄白、天然痘予防に尽力した笠原良策など多くの名医をうみだし、幸福度日本一といわれている県です。東尋坊、越前海岸、三方五湖など美しいスポット。苔の美しい平泉寺、永平寺、一乗谷朝倉氏遺跡、恐竜博物館をはじめとした多くの観光名所があります。西日本最大のスキージャムも大学から1時間で行けます。色々な所に行き、美味しい米(いちほまれ)と新鮮な魚を食べ、芸術・文化に触れて楽しく過ごして欲しいと思います。