Top

診療について

 呼吸器内科では肺がん、びまん性肺疾患(特に間質性肺炎)、膠原病関連呼吸器疾患、COPD、気管支喘息、呼吸器感染症など多岐にわたる呼吸器疾患を幅広く診療しています。現在は科長の石塚以下、安斎(診療講師)、早稲田(講師)、梅田(講師)、門脇(寄附講座 助教)、本定(特命助教)、園田(特命助教)、山口(特命助教)、島田(寄附講座 特命助教)、三ツ井(ICU 特命助教)、木村(医員)、山岡(医員)、細川(医員)、竹内(医員)の計14名の医師が診療を担当しています。その他、診療関与として佐藤(市立敦賀病院)、中嶋(市立敦賀病院)、武田(福井赤十字病院)、黒川(福井赤十字病院)、近澤(市立敦賀病院)が気管支鏡検査などの診療に加わっています。
 日本における病因別の年間死亡者数の第一位は悪性腫瘍であり、その中においても肺癌は単独で年間約7万人という膨大な数であり、堂々の第一位です。当科は大学病院の呼吸器内科として、地域の最先端の診療を担っているという自負のもと、肺癌診療における高度な気管支鏡検査を得意としております。
 近年、カメラの細径化に加えて、肺内の目的部位までの気管支のルートを案内してくれる仮想気管支鏡(Virtual bronchoscopic navigation system)や、肺内病変を超音波でリアルタイムに探ることのできる経気管支超音波断層法(EBUS:Endobronchial Ultrasonograpy)、さらに病変から繰り返し生検できるための鞘であるGuide Sheeth法、そして縦隔リンパ節をリアルタイムに気管支内側から観察して穿刺吸引できる経気管支縦隔リンパ節超音波針生検法(EBUS-TBNA:Transbronchial Needle Aspiration)、経食道気管支鏡超音波針生検法(EUS-B-FNA:Endoscopic ultrasound with bronchoscope-guided fine-needle-aspiration )等が開発され、その安全性と診断能の高さが証明・普及されつつあります。当院でも2009年4月よりそれら各種デバイスが全て導入され、稼働しております。さらに内科的胸腔鏡検査による胸水貯留、胸膜炎、胸膜病変の診断、昨年度からは通常の経気管支肺生検よりも大きな組織を採取することの可能なクライオバイオプシーを導入しました。年間200件以上(2021年度は224件)の気管支鏡検査を行っています。気管支鏡検査は日帰り施行の施設もありますが、当院では安全性を最優先し、質も担保するために、基本2泊3日または1泊2日で施行しております。検査時間は約1時間程度。鎮静剤併用にて施行するため、施行後は8割以上の患者さんが「覚えていないし、つらくなかった。」と感想を述べられます。なお、検査結果は約1週間後の外来での説明となります。気管支鏡検査の適応の判断および予約は毎日の呼吸器内科外来で対応しております。
 肺がん治療では呼吸器外科、放射線科と連携してエビデンスに基づいた治療を実践するとともに、多施設共同での抗がん剤化学療法の臨床試験、肺がん遺伝子検査に関する研究にも積極的に参加しています。
 呼吸器内科と本学の高エネルギー医学研究センター(高エネ研)はPET画像の呼吸器疾患診断に関する研究を継続して行っています。肺癌診断においては、一般的に用いられている18F-FDGに加え、チミジンのアナログで細胞増殖のマーカーである18F-FLTや低酸素のマーカーとされる62Cu-ATSMなどの新しいトレーサーを用いたPET検査法の開発を高エネ研と共同で行っています。また、MRI画像の検討も放射線科や高エネ研と共同で行った実績があり、当院で導入されたPET/MRIなどの最新機器での研究を実施しております。この他、間質性肺炎やサルコイドーシスなどの肺病変の診断にはガリウムシンチグラフィーが保険適応ですが、被爆や検査時間が少なく、空間解像能の高い18F-FDG PETを活動性評価や治療効果判定へ応用する研究を行っております。このように、呼吸器難病にPET画像を応用し、より安全で正確な診断と最適な治療へ結びつける研究を行っています。
 びまん性肺疾患の分野では、診断のレベルを上げるために、必ずカンファレンスで相談し、どのようにアプローチするかのディスカッションを行いながら診療をしています。臨床情報、画像のみならず、気管支鏡検査(気管支肺胞洗浄やクライオバイオプシー)を積極的に行い、必要あれば呼吸器外科とも連携し外科的肺生検も施行いただいた上で診断を行なっております。Webを利用して、放射線診断医や病理診断医と私たち呼吸器内科医によるMDD(multidisciplinary discussion)を定期的に開催しており、びまん性肺疾患の診断治療のレベルアップを行なっています。
 また、膠原病関連肺疾患に関しては膠原病を診療されている院内の各診療科と膠原病検討会を通じて常に相談できる体制を取っております。
 現在、日本で患者数が増加し続けているCOPDや、気管支喘息などの慢性呼吸器疾患に対しては、院内のみならず、地域医療の中での多業種連携を推進し、多方面から患者さんの治療と生活を支える、総合的診療を行っています。また、気管支喘息、慢性咳嗽、COPD患者では呼気中一酸化窒素濃度測定による気道炎症の評価、モストグラフや各種呼吸機能検査を用いた客観的評価に基づく、最適の治療を提供しています。また、2015年6月より、重症気管支喘息に対する気管支鏡治療である「サーモプラスティ」を開始し、最先端の治療が可能となりました。各種バイオ製剤も多数の重症喘息に導入しています。





戻る

information

福井大学医学部第三内科
福井大学医学部
病態制御医学講座 内科学(3)

[呼吸器内科/内分泌・代謝内科]
〒910-1193
福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
TEL. 0776-61-8355 【医局】
FAX. 0776-61-8111

E-mail (教授 石塚)
福井大学
福井大学医学部附属病院
福井大学医学部内科学(3)facebook
© copyright 2023 Third Department of Internal Medicine. all rights reserved.
powered by cheltenham software