福井大学医学部附属教育支援センター

センター長挨拶

医学附属教育支援センターセンター長
(教育担当副学部長・医学部行動基礎科学領域)
安倍 博 教授

現在、日本の大学医学部・医科大学における医学教育は大きな転換期にあります。 アメリカ医学教育連盟が、「2023年(平成35年)以降、世界医学教育連盟(WFME)の定める医学教育の国際標準(グローバルスタンダード)に準拠していない大学医学部・医科大学の卒業生には、アメリカの医師国家試験であるUSMLEの受験資格を与えない」と宣言したことが発端です。 この宣言を受けて、我が国でも、医学教育のグローバル化を目指し、日本医学教育学会が中心となってWFME国際標準の日本版である「医学教育分野別評価基準日本版」が作成されました。 さらに、各大学が国際標準に沿った医学教育を行っていることを審査する機関として、日本医学教育評価機構(JACME)が平成27年度に設置されました。これを受けて我が国の各大学医学部は、国際標準に準拠した教育内容にカリキュラムを改変し、7年ごとにJACMEによる分野別認証評価(国際認証)を受けることになりました。 そのためには、各大学において、教育過程や内容を企画・立案し、それらを点検し、問題があれば改善する教育統括システムを構築することが必要となりました。

福井大学医学部でも、医学部教育を統括するシステム機関として医学部附属教育支援センターが設置されました。教育支援センターでは、主に、国際認証受審を目指し、国際標準に沿った新しいカリキュラムの計画・立案を行っています。 また、新しいカリキュラムに基づいた医学教育を円滑に遂行するために、問題点等を抽出し、そのための改善方法を検討し、その案を医学部教育委員会等実行委員会で実施するように提案することを行っています。 また、本学医学部の教育ミッションを遂行するための方向性や、教育理念、カリキュラムポリシー(CP)、ディプロマポリシー(DP)などの教育に関する基本方針の作成や改善にも関わっています。

現在、教育支援センターの教員メンバーが、松岡キャンパス学務課職員とともに、ほとんど毎週ミーティングを行い、新しいカリキュラムの作成や検証、医学・看護学教育に関する懸案事項、文部科学省などによる教育評価などへの対応事項などについて議論・検討しています。また、学生の修学や精神・生活面などの学生支援に関する議論や、教員がカリキュラム外で独自に行う教育活動への支援なども行っています。

福井大学医学部附属教育支援センターは、まだ発足したばかりですが、福井大学医学部の教育が国際的に通用するものとなるように、同時に福井大学の特色を生かしたものとなるように、試行錯誤を繰り返しながら進めてまいります。 さらに、福井大学医学部に入学した学生さんたちが、十分な教育を受けて、卒後、福井大学の卒業生であることに誇りを持って、医師・看護師として社会で活躍できるように、医学部教育を導いて行きたいと思っております。 そのためには、今後、本学教員・職員・学生の皆様をはじめ、本学医学教育に関連する各機関・関係者の皆様に、お力添えをいただくことが多々あることと存じます。どうか、今後とも皆様方のご協力とご理解を賜りますことをお願いして、センター長のご挨拶とさせていただきます。