講座紹介

教授あいさつ

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はじめに
 放射線医学は、放射線診断、核医学、放射線治療、血管内 治療と比較的専門性の異なる広い領域をカバーしています。放射線診断は、X線写真の他、CT、MRI、USなどの 断層画像法により病変の詳細な形態を描出しその特徴を病気の診断に結びつけます。核医学診断は、病変部の血流や代謝など生物学的機能の違いを画像化し病気、病態の診断に結び付けます。これら放射線診断学の分野は、近年の装置の発達普及とともに量、質ともに大きく変化し、放射線診療に供される画像はより精 密により広範囲なものに変化してきており、今後もこの傾向は続くものと考えられます。
 一方、放射線治療は、手術・化学療法と並んで癌治療の中 心の一つです。いくつかの癌では、手術と同等の結果が得られています。QOLを重視した放射線治療の重要性は以前にも増して高くなると考えられています。 また、肝腫瘍の塞栓術や腹部大動脈瘤に対するステントグラフト留置術などのInterventional Radiologyの分野では、低侵襲性をめざし患者さんのQOLを重視した治療法で患者さんに喜ばれる分野です。
 このように、放射線関連の分野が拡大、より重視される中 で近隣の多くの病院において放射線科医に対するニーズが高まっています。私共の教室ではこれらの要求にバランス良く答えるべく放射線科医を育てるよう努力 しています。
 研究としては、CT、MRI、PET画像を利用し形態画 像と機能画像の融合をめざしています。CT、MR、PETによる、新たなコントラスト、新しい画像の開発をめざし、これらを用いた、より正確で精密な画像 診断を可能とし、これらの臨床への一層の取りこみをめざしています。医局員は種々の臨床研究や実験的研究も行って診断・治療技術の向上を図っています。

研修医の皆さんへ:
 放射線科医は、病院全体の診療科領域で横断的に重要な役 割をはたしています。日常診療のなかにも学問的に重要な課題を見出せ、臨床と研究が比較的近い存在として考えられる分野でもあります。初期研修の時期ある いは専門医研修の時期を問わず、皆さんが迷うことなく日々の研修に励むのに最もふさわしい分野のひとつであります。日進月歩の激しいこの分野には、特に皆 さんの若い力が必要です。
 福井の地は極めて豊かな自然に恵まれております。春夏秋 冬、四季を肌で感じることのできる環境は都会では得難いものでもあります。春夏秋は近隣の山行を、冬はスキーを楽しんでいる教室員もおります。研修医の皆 さんには、ぜひ福井の地での研修を積極的に考えていただければと考えております。