臨床分野では、虚血性心筋における、血流や代謝をサイクロトロン及びポジトロン断層撮影(PET)装置を用いて画像化し、疾患の早期診断と予後の評価に関する研究を福井大学高エネルギー医学研究センターとの共同研究を行なっています。心不全患者の病態に対する検討として、血清学的検討によりNitric Oxide,サイトカイン・細胞外マトリックス分解酵素(MMP)の関わりについて検討し、心不全患者の予後予測や診断に有用な新しいサロゲイトマーカーの検討を行なっています。
また,不整脈,および心不全に対する非薬物的療法(カテーテルアブレーション,ペースメーカ・植え込み型除細動器等のデバイス治療)に関する臨床研究を数多くおこなっています.
基礎研究としては,心不全の病態である心筋リモデリングにおけるアポトーシス,MMPさらにアディポネクチンとの関与に着目し,マウス,ラットを用いたin vivo、ヒト冠動脈平滑筋細胞やヒト単核球細胞を用いたin vitroでの検討を遺伝レベルから機能発現までの広範にわたり行っています。また,最近では難治性高血圧に対する腎動脈交感神経アブレーションの基礎研究も開始しました.
これまでに臨床研究では、1)心筋梗塞時梗塞領域における心筋バイアビリティ評価における、核医学検査の有用性をPETイメージングを含めて報告し、2)心不全患者における血中MMP-9やIL-12濃度上昇が、心不全の重症度やβ遮断剤療法の反応性と密接に関連することを明らかにした。基礎的な検討では、1)食後高血糖が末梢血中単球上の膜型MMPの発現を増加させ、動脈硬化の不安定性につながる新たな指標となる可能性があること、2)平滑筋細胞におけるMMP-2産生が、ヘパリンによりどのような影響を受けるか、3)ACE阻害薬が、心筋線維芽細胞に対しどのようなメカニズムでMMP-2産生を抑制するかを明らかにした。
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