日本災害看護学会
日本災害看護学会第12回年次大会を、2010年8月28日29日の2日間、福井市フェニックス・プラザにて開催しました。北陸地方での年次大会開催は今回が初めてでした。約1000名の参加登録者、約300名の一般市民の方々、企画委員・実行委員・ボランティアの皆様を合わせると総勢1600名以上の方々が集った学会となりました。
開会式には、災害・防災への関心の高い西川知事や福井大学災害ボランテイア支援センター長、福井県看護協会長にご臨席賜りました。
また、基調講演は、45年間事件・事故・災害を現場重視の立場から問題提起してきたノンフィクション作家の柳田邦男氏の「いのちを守りいのちを支える」をテーマとした講演、公開講座は、日本一小さな物語一筆啓上に寄せられた国内外からのふみをもとにした丸岡町文化振興事業団の大廻政成氏によるいのちの大切さについての講演でした。特別講演および公開講座は一般公開でしたが、300名を超える一般市民の方々の中には涙を流しながら、こころにしみ入るような表情で聞き入っていた姿がありました。地下鉄サリン事件被害者の会代表の高橋シズエ氏の講演は、参加希望者が多く溢れる状況でした。また、近年の新型インフルエンザや遺族ケアの問題、トリアージやケアリングの実践、災害時のトイレの問題なども議論しました。研究発表は、災害看護教育、災害への備え、海外支援など74演題で、多様な職種や分野の方々のご参加により、様々な観点から意見交換ができました。