本学の理念との関係
ヒトが健やかに暮らせるよう、特に地域医療への貢献を図りつつ、海外の先進的機関とも連携して、本分野としての先端的な業績をあげることに努めている。
特色等
我々の関係する機関(国内では各県衛生研究所含む)や研究者(協力者含む)は極めて多様であるが、互いに研究成果を共有し発展性を維持する体勢になっていることから、社会への成果の還元が実行し易いものとなっている。
主要研究テーマ
免疫学に関する研究
研究概要
- memoryとanergyのdecision making
- Immune regulationと autoimmunity
キーワード
viral superantigen, autoimmunity, memory, T cells, anergy
業績年の進捗状況
- in vivo T cell responseの解析: 抑制する分子(4種類)と促進する分子(4種類)の作用機序と相互作用
- anergyからmemoryへの転換にかかわる分子の作用機序
特色等
- in vivo T cell responsesを抗体により調節することで、autoimmune diseasesの発症と制御,
- infection時におけるimmune augmentationを導くことと臓器移植の拒絶の回避,
が可能となりつつある。
感染症疫学に関する研究
研究概要
人獣共通の新興再興感染症のうちリケッチア症、スピロヘータ症、バベシア症などは、ベクターと保有体動物の生態学的関わりの中でヒトにもたらされるが、その感染機序あるいは拡散経路の解明のため、10数年前から調査範囲をユーラシア大陸まで拡げて、学振科研の海外調査課題(代表:高田)および厚労科研の課題(分担)を基に、各々の成果を関連させつつ調査研究を進めている。
キーワード
新興再興感染症, ベクター, ユーラシア大陸, 分子疫学
業績年の進捗状況
この年、厚労科研は第2次の2年度目、また学振科研は基盤C分担の2年目であったが、前者ではリケッチア症感染環の調査を国内の多発地および新興発生地を中心に進めた。その結果、各地での新たな知見のほか、北海道地区および南西諸島西端地区においては、各々北アジア系および東南アジア系の新たな感染環の存在を発見し、我国における本症の広がりが、ある意味“想定外”であることを証明した。後者では、リケッチア症の重症化機序解明に向けた症例検討を進めた。