第8回福井脳神経外科手術セミナー
3月16日(土)にに福井大学メディカルシミュレーションセンター/臨床教育研修センター「白翁会ホール」にて、第8回福井脳神経外科手術セミナーを開催しました。
ハンズオンとしては、脳モデルを用いた深部血管吻合実習を行いました。今回は初期研修医の先生や医学生の皆さんにも声を掛けたところ、脳外科やマイクロサージャリーに興味のある6名の方々が参加してくれました。
手術症例検討会では、福井大学の荒井大志先生が「鎖骨下動脈閉塞症に対してステント留置術を施行した1例」について、同じく福井大学の田井克英先生が「視神経障害に対する1手術例」について報告しました。特に後者については、特別講師の藤巻教授からも貴重なアドバイスをいただきました。
メインの特別講演には、埼玉医科大学病院脳神経外科教授・藤巻高光先生をお招きし、「顔面の痛み、顔面の不随意運動の診断と治療 -神経減圧術を行うにあたって知っておきたいこと-」についてご講演いただきました。藤巻教授は、東大病院では松谷雅生先生(埼玉医科大学名誉教授)らと共にグリオーマの研究をされて来ましたが、ご存知のようにmicrovascular decompressionでもご高名な先生です。三井記念病院時代に福島孝徳先生から直接MVDの技術を学び、現在は日本の第一人者として三叉神経痛と片側顔面痙攣だけで1,000件に及ぶMVDをご執刀されています。藤巻先生は参考資料まで用意して下さり、研修医・学生も参加するということで臨床診断から、若手医師向けに画像診断・手術体位・開閉頭法、更に専門医向けに減圧法とその注意点まで、大変わかりやすく説明して下さりました。後でお聞きした話では、この日のために毎晩睡眠時間を削って準備して下さったそうです。
セミナー終了後は奥様(女子栄養大学教授)も交えて、学問や歴史や音楽について語り合うことができました。お二人とも信州のご出身で福井市は初めてとのことでしたが、藤巻先生のお生まれはすぐお隣の石川県山中町とのことで、少し距離が縮まったように感じました。
このたびは福井までお越し下さり、福井の若手医師・脳外科医のために貴重なお話しをしていただきまして、誠にありがとうございました。これを機に、今後とも福井大学脳脊髄神経外科を宜しくお願い申し上げます。
小寺俊昭