福井大学医学部

脳神経外科学

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第11回福井脳神経外科手術セミナー

 3月5日(土)に福井大学メディカルシミュレーションセンター「トレーニングルーム」、臨床教育研修センター「白翁会ホール」にて、第11回福井脳神経外科手術セミナーを開催しました。年2回開催しているセミナーですが、コロナ禍で3度中止となってしまい、今回は2年ぶりの開催でした。

 ハンズオンとしては、福井大学・磯﨑 誠先生の進行で「脳モデルを用いた深部血管吻合実習」を行いました。連携・関連施設の脳外科医以外にも、初期研修医や医学科卒業生も参加してくれました。

 手術症例検討会では、林病院・東野芳史先生が苦労したCEA症例について、福井総合病院・橋本智哉先生が成人モヤモヤ病5例に対するバイパス術について報告しました。

 メインの特別講演には、北海道大学脳神経外科教授・藤村 幹先生をお招きし、「もやもや病と類縁疾患に対する血行再建術 ~術中pitfall回避の工夫と周術期管理~」の演題でご講演いただきました。藤村教授はもやもや病手術の第一人者で、自然歴および治療概念としての“IC-EC conversion”という言葉を世界で初めて使われた方です。美しいバイパス手術はもちろん、RNF213遺伝子多型など研究面での最新の知見についても、わかりやすく説明して下さりました。

 藤村教授はバイオリンの名手でもあり、日本脳神経外科学会管弦楽団にも所属されています。演奏における指先の動きやリズム感、集中力が、繊細な手術にも生かされているのだと思います。

 このたびは札幌から遥々福井までお越し下さり、誠にありがとうございました。これを機に、今後とも福井大学脳神経外科を宜しくお願い申し上げます。

 小寺俊昭