学会報告
暑い夏が終わり、涼しい秋の季節になると、学術活動も盛んになってきます。今回は2024年11月7、8日の東京の京王プラザホテルで開催された「第31回日本神経内視鏡学会」と11月9、10日に京都大学で開催された「第20回日本脳神経外科光線力学学会/ LASER WEEK V in KYOTO」のはしご旅になりました。それぞれ「脳実質内悪性脳腫瘍に対して内視鏡を用いた低侵襲手術を行い良好な治療経過を得た高齢者の1例」、「脳病変の対する5-ALA PDD併用性剣術の有用性と注意すべき点について」を発表いたしました。
神経内視鏡学会では、今回はM&Mのセッションがあり、判断的な部分から、予測しえないものまで、手術をするうえで知識として頭の片隅においておくべき症例がでてきました。本会場では、モニターに発表言語の英語字幕が常にでているという非常に学術的な試みがされておりました。海外演者で、AustriaのDr. Stefanはロボットアシストを実臨床に使用した発表でした。内視鏡や器具を固定後にラジコンのように微細に外から動かすといった方法です。ETVなど出血にあまり困らない手術では活用できそうでしたが、TSSには一工夫必要そうです。まだまだ腹腔鏡のようなわけにはいきませんが、こういった一歩から最終的にはすべてをダビンチのようなシステムでできるように発展していくのかなと、将来を期待します。
光線力学学会については、臨床ではあまり革新的な発表はありませんでした。基礎では腫瘍にレーザー照射可能な細いプローブを挿入・埋め込みし、腫瘍を殺傷するという手法の実験や開発報告がありました。今回はランチョンでレーザーの開発に黎明期からたずさわった工学部の先生のお話をおききしました。今、レーザー治療界全体が停滞しているようであり、新しい技術がでていないようです。やはり、提供された装置を使用して何かするのではなく、こうしたいからこんな装置を作ってくれ、というような医学からのニーズが重要ではないかと考えます。ランチョンのアンケートでは、今やっていることで、何か共同で仕事ができませんか?といった、今までにない内容が書かれていました。
山内貴寛