福井大学医学部

脳神経外科学

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第34回 日本脳神経外科コングレス

九州大学脳神経外科教授 飯原弘二先生が会長をされた第34回コングレスは大阪国際会議場で5月16日から開催されました。教室からは菊田が初日のランチョンセミナーで「複雑な脳動脈瘤に対する外科的治療」としてParaclinoid aneurysmとPCA aneurysmについて講演を行いました。前者では重篤な合併症である視力障害の原因として超音波骨キュレットの背面からでる超音波が原因ではないかと提示しましたところ、会場から内頸動脈からの視神経栄養枝の閉塞との鑑別が議論になりました。まだこの分野には不明な部分があることを実感しました。またPCA動脈瘤や複雑なバイパスの場合、私たちの施設では直後に母血管遮断するのではなく、後日再度BTOしており、この方法の有用性についても報告いたしました。旭川赤十字病院脳神経外科部長 瀧澤克己先生はupper basilar aneurysmとgiant aneurysmについて口演され、前者の技術伝承とanterior temporal approachの詳細と、後者については、いすれにせよ6-7割の成功率で、特にhigh flow bypassの成績が不良であることは重要な知見でした。座長をして下さいました杏林大学脳神経外科教授 塩川芳昭先生に感謝申し上げます。