福井大学医学部

脳神経外科学

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第32回日本脊髄外科学会・8th Asia Spine Meeting報告

2017年6月8日と9日に第32回日本脊髄外科学会が大阪国際会議場で開催されました。当科から山田が参加して参りましたので、報告します。今年は8th Asia Spine Meeting(June 9-10)との合同開催であり、海外からの演者も多くおられました。特に韓国からの参加者や演題が多かったのが印象的でした。

頭蓋頚椎移行部を含めた頚椎のSessionが多く、全体の半分以上はありました。対して腰椎のSessionはその半分程度で、残りが外傷や腫瘍、血管障害といった割合でした。やはり日本では、脳神経外科が関わるのは頚椎疾患が多いようですね。おそらく整形外科の学会では逆に腰椎疾患のほうが多いのではないかと思います。

わたしも主に頚椎のSessionを聴いてきました。目立っていたのが前方固定術の際の新しいケージ(PEEKケージにチタンコーティングが施されたもの)を使った症例の結果報告や、椎弓形成術の際にバスケットプレートを使用した成績を発表した報告が、各施設からいくつかありました。いずれも悪くない結果を報告されていました。(短期的なので良いというにはまだ数と観察期間が少ないようです)

ほかには、高齢者や進行がん患者に対する積極的な外科治療をすすめるような発表が多かったのも印象的でした。そういった患者さんはそれぞれの状態の個人差が大きいので一概には言えないものではありますが、手術することでメリットが得られるケースもあるのだと思います。

参加者は比較的年配の先生方が主であり、若手脳外科医の姿は少なかったように思います。(自分より若そうな人はあまり見られませんでした。)あまりよいことではありませんが、それをチャンスと捉えて次の世代を担うべく、頑張っていかなければとも思います。

山田 真輔