福井大学医学部

脳神経外科学

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第6回福井脳神経外科手術セミナー

 3月3日(土)に福井大学メディカルシミュレーションセンター/臨床教育研修センターにて、第6回福井脳神経外科手術セミナーを開催しました。今回はハンズオンハンズオンとして、脳モデルを用いた深部血管吻合実習を行いました。
 手術症例検討会では、市立敦賀病院の細田哲也先生が「脳血管内治療の1例」のタイトルで、治療に難渋した小脳テントdAVFの症例について報告しました。また福井大学の東野芳史先生が「左insular tumorの1例」について報告しました。難しい穿通枝の温存について、特別講師の山本教授からもアドバイスをいただきました。
 メインの特別講演には、横浜市立大学脳神経外科主任教授の山本哲哉先生をお招きし、「松果体近傍病変に対する経テントアプローチと脳槽解剖の再考」についてご講演いただきました。山本教授は悪性脳腫瘍に対するBNCTの第一人者であることは誰もが知るところですが、microsurgeryのご経験も豊富で、筑波大学やドイツ・チュービンゲン大学(Tatagiba教授)で研鑚を積まれ、聴神経腫瘍で50例以上、松果体病変に対するoccipital transtentorial approachに至っては40例以上もご経験されているとのことです。手術ビデオを拝見しましたが、術野やハサミの動きが大変美しく、深部静脈の剥離法や周囲クモ膜の構造などについて大変勉強になりました。
 山本教授はとても気さくなお人柄で、セミナー終了後も地酒を楽しみながらいろいろなお話をお聞きすることができました。2月の豪雪の影響で歩道には雪が残り、交通事情もまだ完全回復とは言えませんが、遥々福井までお越しいただき誠にありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。

小寺俊昭