福井大学医学部

精神医学

教育内容紹介

卒前研修

5年次の学生臨床実習では、外来・病棟実習に加えて、画像ゼミ、心理検査、症例検討会、英語論文の抄読など多岐におよび、学生に精神医学および精神科医療を身近に感じてもらうよう努めています。6年次の卒前実習では学生と指導医のマンツーマンで行い、実際の臨床現場で診断・治療に必要とされる知識・実技を習得して、卒業後に即戦力の臨床医として活躍できるように指導しています。


卒後研修

日本精神神経学会 精神科領域専門医研修プログラム に準じ、以下の研修プログラムを実施しています。

研修プログラム

日本精神神経学会専門医制度(基幹施設として認定済)に基づく研修プログラムにて若手精神科医の育成に取り組んでいます。当院を基幹施設とし、連携施設は福井県嶺北・嶺南地域の主要医療機関である福井県立病院および杉田玄白記念公立小浜病院、単科精神病院であり急性期治療から社会復帰まで広くカバーする松原病院・猪原病院・福井病院、認知症の専門医療機関である福井県立すこやかシルバー病院の6病院です。これらの医療機関をローテートすることで、専門医に必要な経験をもれなく積んでいくことができます。

当院では、総合診療機能を有する医療機関である特徴を生かして、身体疾患合併症診療、一般診療科患者の精神疾患合併症診療(リエゾン精神医療)および高度先駆的医療を目指した精神科診療に努めています(日本総合病院精神医学会専門医研修施設)。入院治療では、院内他科と密接な連携を持ち、緩和ケアチーム、認知症ケアチーム、精神科リエゾンチームの一員として活動しているほか、PETやMRIなどの先進的医療機器と高度な医療技術を備えた経験豊かなスタッフによるチーム医療を実践しています。麻酔科蘇生科との共同で修正型電気けいれん療法(ECT)も積極的に行っています(日本総合病院精神医学会ECT研修施設)。ビデオモニター可能な終夜睡眠ポリグラフィ専用個室を整備し、てんかんや睡眠障害を対象とした検査目的の短期入院も行っています。薬物治療では一般的な向精神薬を中心とし、治療抵抗性統合失調症に対するクロザリルの使用が認められている施設(CPMS登録医療機関)であるほか、漢方薬治療も積極的に用いています。

また、平成23年4月に設置された子どものこころ診療部とも外来・入院治療において密な連携をとっています。小中学生の入院治療では院内学級(福井県立福井東特別支援学校五領分教室)の利用や、ベッドサイドでの学習も行われています。神経発達症児者や被虐待児者に認められるトラウマに対しては複数のトラウマ治療・技法を用いて対応しています。当院は福井県下の他病院(精神科、小児科)とともに福井県子どものこころ専門医研修施設群として、子どものこころ専門医を育成していく研修カリキュラムを行っています。

年数 プログラム 大学院進学
1年目 初期研修
2年目 初期研修
3年目 教室勤務(関連病院には非常勤勤務)
各学会・研修会に参加
可能
4年目 教室勤務(関連病院には非常勤勤務)または 連携施設勤務
各学会・研修会に参加
可能
5年目 連携施設勤務
各学会・研修会に参加
可能
6年目 教室勤務(関連病院には非常勤勤務)または 関連病院勤務
精神科領域専門医取得、精神保健指定医取得
可能
7年目以降 教室勤務(関連病院には非常勤勤務)または 関連病院勤務
各サブスペシャリティ領域専門医取得
学位取得(大学院入学時期や成績によって早期取得も可能)
可能

経験できる臨床症例

  • 器質性精神障害(認知症、せん妄、器質性脳疾患 等)
  • 物質使用障害(アルコール・薬物の中毒、依存 等)
  • 統合失調症、統合失調症型障害、妄想性障害
  • 気分障害(うつ病、双極性障害 等)
  • 神経症性障害(不安障害、強迫性障害、適応障害、解離性障害、転換性障害、身体表現性障害 等)
  • 摂食障害
  • 睡眠障害
  • 産褥に関連した精神及び行動の障害
  • パーソナリティー障害
  • 知的障害
  • 発達障害(自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、学習障害 等)
  • 児童思春期精神障害(チック、選択性緘黙、愛着障害、トラウマ 等)
  • 精神科救急(精神的な混乱、パニック障害、自殺未遂)

経験できる特殊な治療、検査

  • 治療抵抗性統合失調症のクロザリル治療
  • 電気けいれん療法
  • 終夜睡眠ポリグラフ検査
  • PET/MR アミロイドイメージング 等 核医学検査

経験できるチーム医療

  • 精神科リエゾンチーム
  • 緩和ケアチーム
  • 認知症ケアチーム

学位取得および留学

専門医取得後は、研修施設群の病院はもちろん、それ以外の病院にも勤務して希望した分野の知識をさらに深めていきます。また、臨床研究だけでなく、動物モデル等を用いた基礎研究にも臨床に応用できるようなテーマを中心に取り組んでいます。大学院入学や学位取得へのサポートも万全な体制をとっています。専門医取得後の留学も奨励しており、経験者は領域の視野を深め、外国での生活・人的交流など貴重な体験をしています。研修プログラムは専門医取得がゴールではなく、そのあとの道もしっかりと拓かれているプログラムです。

取得可能な専門医・認定医

精神保健指定医
日本精神神経学会 指導医・専門医
日本総合病院精神医学会 専門医 
日本臨床神経生理学会 認定医
日本児童青年精神医学会 認定医
子どものこころ専門医

主な留学先

韓国脳科学研究所
米国カリフォルニア大学
英国ロンドン大学
スウェーデン王国ウプサラ大学
米国アーカンソー大学
米国国立精神保健研究所(NIMH)
米国ピッツバーグ大学

精神医学研究室

TEL
0776-61-8363
FAX
0776-61-8136