現代の高度情報化は、人類に多くの恩恵をもたらした反面、多大なストレス社会を生み出し、中高年のうつ病や不安障害、自殺が急増しています。また児童・思春期のこころのケアが叫ばれ、不登校・いじめ・被虐待・貧困というさまざまな問題を抱えた若者が増えています。こころの傷・トラウマをもったままでは社会に順応しづらいこともあるでしょう。心身症、PTSD、摂食障害などのストレス関連障害も増加の一途を辿っています。一方、高齢社会となった日本は、認知症、せん妄、緩和ケア、リエゾンなど他診療科や多職種との連携が不可避の状態です。これらの連携の充実を図り、地域社会に開かれた先進的な精神科医療を展開しています。また、先端画像機器など高度診断技術を駆使して、大学病院ならではの総合診療機能を活かしたチーム医療を実践すると共に、院内他科や関連医療機関との積極的な関わり合いの中で、地域に即したより良い医療サービスの提供に努め、精神疾患の早期発見・早期治療、さらには地域医療全体の活性化を目指しています。
当科は、開放病棟と閉鎖病棟の計41床から構成され、個室、隔離室、観察室も充実し、神経精神疾患の全般的な診療を行っています。下記に専門的な診療活動を紹介いたします。