福井大学精神医学教室では、学内・学外を問わず全国より広く専攻医および医員の募集をしています。
専門研修プログラム(2025)と教室紹介
メッセージ動画をご覧ください。
インタビュー記事
精神科医療に対する需要・活躍の場の広がり
現代の高度情報化は、人類に多くの恩恵をもたらした反面、多大なストレス社会を生み出し、中高年のうつ病や不安障害、自殺が急増しています。また児童・思春期の心のケアが叫ばれ、引きこもりや虐待、未熟な人格という問題を抱えた若者が社会に溢れ、心身症や摂食障害などのストレス関連障害も増加の一途を辿っています。また、リエゾン、救急、緩和ケア、災害医療など、今や精神科医は、病院全体の診療科領域で横断的に重要な役割をはたしています。これら時代の変遷と伴にますます多様化し広がりつつある精神疾患に対応すべく、私たちは、治療を受ける側の立場に立った人間性あふれる医療の実現、高度な知識と技術を駆使した地域社会に開かれた先進的な精神科医療を展開しています。
当教室の特色と志ある人材求む
当教室の特色として、地域の医療機関とのネットワークが極めて良好で、「互いに顔のみえる医療環境」に恵まれており、診療以外にも教育や研究面で緊密に連携をとりあっていることが挙げられます。多彩な趣味を持ち、スポーツ愛好家・ミュージシャンの多い講座でもあり、互いの個性を尊重しつつ、和気あいあいとした雰囲気の中で日々の診療・教育・研究に取り組んでいます。上述のごとく、時代の変遷と伴に多様化し広がりつつある精神疾患に応えるべく、よりよい医療を実現するためには、若いやる気あふれる人材の育成が必要不可欠です。研修を希望される方、心よりお待ちしています。
マンツーマンの指導を行います
研修基幹施設である福井大学病院神経科精神科は開放病棟と閉鎖病棟の計40床から構成され、個室、隔離室、観察室も充実したなかで、精神科総合診療および精神科の各専門領域の診療を学びます。多くの症例から幅広い臨床経験を積み上げていくと同時に、個々の症例や病態をきめ細かく分析し、脳とこころの両面を包括的な視点から論考を深めていく基本的スタンスのもとで、上級医・指導医によるマンツーマンでの指導を行っています。専攻医は4-6人の複数の入院患者を同時に主治医として担当し、多くの臨床経験を積めます。一般的な症例のほか、多職種との認知症ケア・緩和ケア・精神科リエゾンなどのチーム医療に中心的に参画するなど総合病院における精神医療に貢献ができます。ほかにも、難治性うつ病などに対する修正型電気けいれん療法や、治療抵抗性統合失調症のクロザリル治療、ビデオモニター可能な終夜睡眠ポリグラフィ専用個室におけるてんかんや睡眠障害の精査なども経験が可能で、ほぼすべての症例に対応ができる基礎的な知識を身につけていけます。
さらに、福井大学精神医学教室ならびに関連病院の特徴的な取り組みとして、福井県永平寺町や近隣の大学とも協力しながら認知症の予防と早期診断・早期治療のための健診システムの導入・構築に関するプロジェクトを行っていること、精神医学と密接に関連する画像医学の研究施設である福井大学高エネルギー医学研究センターとは開設された当初から共同研究を続けていること、北米型ERを進める当院救急部と定期的にカンファレンスを開催していること、などが挙げられます。専攻医は希望に応じて、これらカンファレンスや臨床研究にも参加可能です。
教官がかわるがわる毎週火曜日15時から、若手の先生方に向けての講座「入門セミナー」を開いています。2024年のスケジュールは下記です。
子どものこころの専門医の取得が目指せます
本学子どものこころの発達研究センター地域こころの支援部門(旧:児童青年期こころの専門医育成部門)と強く連携し、児童青年精神医学領域の高度な研修も同時に受けられます(杉山登志郎客員教授、森本武志准教授、鈴木太客員准教授)。具体的には、当院子どものこころ診療部外来診療を共に行っています。杉山登志郎客員教授・森本武志准教授の診療の陪席・直接の指導が受けられ、2年目から子どものこころ診療部外来診療枠をもち、指導医からの助言を受けながらの初診と再診診療を早々と経験が出来ます。児童思春期の入院症例の主治医も1年目から経験が出来、複数の指導医からチャートラウンドならびにオンラインで専門的なアプローチが伝授されます(被虐待、複雑性PTSD、神経発達症(ASD・ADHD)、不登校、強迫症、不安症、気分症、頭痛、摂食症など)。子どものこころ専門医取得後(精神医学医員・助教以上)も、子どものこころ診療部外来診療枠を担当します。
上記の研修をもとに、精神科一般診療のスペシャリストの称号である精神保健指定医ならびに日本精神神経学会専門医の取得を目指しながら、国内随一の児童青年精神医学領域の研修も重ねて受けられ、子どものこころ専門医・日本児童青年精神医学会認定医などの取得も目指せる研修プログラムが確立しております。毎年、複数の専攻医の先生方が同時研修プログラムに入られています。下記が、精神科専攻医でありながら、子どものこころ専門医取得を目指す研修プログラムの1週間スケジュールの一例です。
福井大学は「福井県子どものこころ専門医研修施設群」の基幹施設であり、研修統括責任者は小坂浩隆教授(子どものこころの専門医・指導医、日本児童青年精神医学会理事)が担当しています。
福井県摂食障がい支援拠点病院 としての役割
2023年10月に当院が福井県から厚生労働省事業「摂食障害治療支援センター設置運営事業」における「摂食障がい支援拠点病院」の指定を受けました。それに伴い、摂食障害の初診患者数、入院患者数が増えてきています。またその以前のコロナ禍において、一般人口の若者全体で体重が減少していることも我々の報告(Okazaki et al., Psychiatry Clin Neurosci, 2023)からわかっています。小中学生を含めた若い摂食障害の診療を避けることはできない時代になっています。栄養療法、家族療法(Family Based Treatment)、心理教育法などが確立されており、その治療法・スキルを取得することができます。
関連病院について
研修連携施設は、それぞれ福井県嶺北地域・嶺南地域の主要医療機関である福井県立病院および杉田玄白記念公立小浜病院、単科精神科病院であり急性期治療から社会復帰まで広くカバーする松原病院、認知症の専門医療機関である福井県立すこやかシルバー病院の4病院です。これらの医療機関をローテートすることで、専攻医は専門医に必要な経験をもれなく積んでいくことができます。
専門医取得後は、研修施設群の病院はもちろん、それ以外の病院にも勤務して希望した分野の知識をさらに深めていくことが可能です。当教室の特徴の一つに、新設大学講座としては例外的に関連病院の充実が挙げられます。関連病院での研修は指導医と複数の精神科医がスタッフとして勤務している地域密着病院で、大学病院では経験することが少ない疾患についても指導医のもと研修することになります。関連病院での勤務は各自の希望をもとに研修機会が均等になるように考慮した上で決定していきます。
応募資格
医師免許取得後2年以上の卒後臨床研修修了または修了見込者で、性別・年齢は問いません。応募の締め切りはありません。いつでも歓迎しています。例年、ベテラン精神科医のスタッフとしての入局もあり、今までの臨床経験・研究経験を教官として活かしていただきたいです。
選抜方法
履歴書、面接
給与・待遇など
若手医師として臨床研修、研究活動をするための生活基盤を保障する充分な給与所得(医員給与、外勤など)があります。女性医師については、出産・育児なとの家庭生活との両立をサポートする体制をとっています。
連絡先
大森 一郎(医局長) omoriim@u-fukui.ac.jp
小坂 浩隆(教授) hirotaka@u-fukui.ac.jp
T E L 0776-61-8363(医局直通)